翻訳を読んでいて、そこに使われている言葉に
ドキッとすることがあります。
違和感というか、何かが引っかかって
戸惑うのです。
「欠片」(かけら)という言葉もそうでした。
この訳語は、
ロックバンド QUEEN のギタリスト
ブランアン・メイ Brian Mayさん の
インタビュー記事に登場しました。
記事の印象
インタビューから伝わってくる
「欠片」のイメージは
彼の内面を構成する全体から
砕けて飛び去った何か。
内面から出て行った?
失った lost ? has lost?
見つからない、ほんの小さな…。
小さくても、大切な何か。
そうだとすれば、元の英語は
fragment か splinter か。
fragment なら、バラバラな感じ。
splinter なら、刺さる感じ。
わからないけど(他かもしれないけど)
ブライアン(親しみをこめて)は何かを用い、
翻訳者はそれを欠片と表しました。
「欠片」のイメージ 🔨
欠片。かけら。
元の単語は、
piece であることが多いのですが、
この言葉は「部品」感が強い。
壊れていない「正規の部品」な心象。
そのpiece、
飛び去っていった感覚から遠い。
凹凸を組み合わせるジグソーパズルの
1つ。あのイメージ。
ですから、もし、piece だったとしても
欠けていて、割れ目がキザキザで、
けっこう大きくて、抜けた部分を埋められない
感じを言葉に遺すために、
今回は「ケッペン」と読みたいなぁ。
記事を読んでいて、そう感じたのです。
言葉って 奥深い
念のために書き添えておきます。
この翻訳が間違っているとか、
そんなことを訴えているんじゃないんです。
むしろ反対。この記事の訳はいい。
言葉が感情を持っています。
ですから、「欠片」に戸惑うことが
できたのです。感謝しています🤗
感情や観念を表す言葉。
その選び方、放ち方、とても奥が深いです。
対照的に、最近のメディアには
親しみやすい言葉ばかりが並びます。
お決まりの表現は、何か大事なところを
捨てている。そんな感じがするのです。
【追記】 記事は、The BIG ISSUEに
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ワールドワイドな雑誌です。
この雑誌、コンセプトがイケてるので
ビッグスターが次々とインタビューに
登場します。今回はブライアン。
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【追伸】
ブライアンがうつ病に苦しんでいる。
BBCで知りました。
詳細は以下のリンクを
Brian May: ‘My name’s Brian and I’m a depressive’
よくなってほしい。
回復を願っています。
(2022年6月7日)