戯曲を音読しています(読書法)

 

「情けなや忠兵衛様 なぜ其のように上らんす」
(『冥途の飛脚』より遊女・梅川の台詞)

「地獄へも極楽へも 連れ立つて下さんせ」
(『冥途の飛脚』より遊女・小春の台詞)

 

これは、江戸時代の劇作家、
近松門左衛門さんが書いた台詞です。

近松作品は、
浄瑠璃の戯曲、つまり芝居の脚本(シナリオ)
として書かれたので、

芝居の幕場(例 第〇幕・第〇場)ごとに
場面の描写、登場人物とその台詞が
描かれています。

とはいえ、場面の描写は、あっさり。

中心は台詞です。

 

その台詞が、近松作品は、凄い。

「ウォオオオオオオ オ~」の次に
「ガガガガガガ ガ~」が
返ってくるような、

感情が昂って、爆発寸前。
でも、まだまだ。グッと堪えて、出しません。
的な緊張感が、作品のラストまで続きます。

とくに、
心中物(:もう二人で死ぬしかない…)は
迫力があります。

 

そんな台詞を、音読しています。

以前は、読むだけだったんですけど、
機会があって、浄瑠璃を観まして。

これは、声に出して読まないと
作品がわからない!に
気づいたんです。

 

以来、戯曲、脚本、シナリオは、
その台詞を音読しています。

 

そして発見。

音を発しないとワカラナイ
世界。

 

音読すると、言葉って、跳ねるんです。

言葉に、自分の息づかいや抑揚が
染み込んでいくんです。すると…

 

たとえば、冒頭にあげた台詞

「情けなや忠兵衛様 なぜ其のように上らんす」
(『冥途の飛脚』より遊女・梅川の台詞)

の「情けなや」が
まったく違う印象をもって
自分の前に現れます。

それは、怒っている様であり
愛している様であり
蔑(さげす)んでいる様にも聞こえます。

自分の声なんですけど(笑)。

こうした読書法を使って、わたしは
作品本来の姿(狙い?)に
近づいています。

みなさんも、体験ください

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そんな音読の成果なのか?
話す調子のストーリーも出来ました。

 

『新酒の季節は杉玉色で』

ちょっと落語な感じです。