最近、フィルム・ノワールの原作を中心に
ミステリー小説を読んでいます。
フィルム・ノワールとは
Film noir、フランス語。
直訳で、Film 映画 noir黒い。
黒い映画。黒映画。闇映画。etc
主人公が次第に追い詰められていく犯罪映画。
その未来、真っ黒な闇へ(怖!)
と説明すればいいのでしょうか。
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
The postman always ring twice や
『深夜の告白』
Double Indemnity が
代表的な作品と言われています。
そんな作品群から2作品の原作を
紹介します。
その一冊『上海から来た女』。
これはオーソン・ウェルズさんが
映画化したときのタイトル。
犯罪に巻き込まれていく主人公。
わけもわからず、状況はどんどん悪い方へ。
すごく、おもしろい。

しかし、
上海から来た女は出て来ません。
というもの
元の作品名はぜんぜん違っていて、
“If I die before I wake”。
訳せば『死ぬかも。目覚める前に』。
上海、まったく関係なし。
みなさんも読み終えたら思うはず。
ウェルズさん、なぜ『上海から…』に?
「ギョッとする異物」で観客を驚かす
彼独特のいつもの演出?
(『宇宙戦争』『第三の男』)
そして想うのです。
損をしたのが、
作者のシャーウッド・キングさん。
内容と全然関係ない『上海から…』で
わたしたちに検索されてしまうなんて。
名作なのに。面白いのに。
ネタバレできないのが残念ですが、
ぜひご一読ください。
そして出版社のみなさま、
未だに『上海から来た女』のまま放置は
もったいないです。
改題・再販すれば、売れそうです。
お待たせしました
もう一冊は、J・H・ウォーリス著
『飾窓の女』The woman in the window。
こちらは、
オーソン・ウェルズ的いじりもなく、
(セーフ😇)
映画タイトル=原作小説タイトル。
テレビの二時間ドラマにありがちな、
刑事・名探偵的主人公が謎を解き明かす!
に飽き飽きしている方に、とくにおすすめ。
「いつ警察に捕まるか?」でビクビクする
主人公の心理。あぁ、これ以上は言えない。
ぐっとこらえる中、
少しだけ作品の雰囲気をお伝えすると…
この作品を密かに読んで
「あぁ、こういう風に書けばよいのか!」を
学んだ日本の推理作家のセンセイたち、
かなりいる? そう踏んでいます。
そんな衝撃も楽しめそうなこの作品。
こちらも再発売したら売れる気がします。
ほんとうに、かなり面白いです。
というわけで
フィルム・ノワールと言われる映画の原作は
秀逸が埋もれてる予感、濃厚なのです。
ですから、フィルム・ノワールな作品を探しては
地元図書館の蔵書をチェック&読書へ。
幸い、wikipediaには
フィルム・ノワールなリストが載っていて
(こちら)、そこから、わたしの読書の
進捗状況を書いてみると…
映画を観たし、原作もを読んだ! が
『深夜の告白』 Double Indemnity (1944)
『『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
The Postman Always Rings Twice (1946)
映画を観たけど、原作まだ…は
『白い恐怖』Spellbound (1945)
『第三の男』 The Third Man (1949)
『めまい』 Vertigo (1958)
『死刑台のエレベーター』
Elevator to the Gallows (1958)
『北北西に進路を取れ』
North by Northwest (1959)
映画も原作も知らない…が
『拳銃貸します』 This Gun for Hire (1942)
『ギルダ』 Gilda (1946)
『過去を逃れて』 Out of the Past (1947)
『白熱』 White Heat (1949)
『夜の人々』 They Live by Night (1949)
『アスファルト・ジャングル』
The Asphalt Jungle (1950)
『現金に体を張れ』 The Killing (1956)
『狩人の夜』 The Night of the Hunter (1955)
『キッスで殺せ!』 Kiss Me Deadly (1955)
まだまだ読書、楽しめそう。
雑誌でフィルム・ノワール特集、
やればいいのに。
そう思って、ロゴっぽいイラストを
描いてみました(笑)
