フラン・レボウィッツさんの3冊の感想

 

Fran Lebowitz さん、今もお元気。
アメリカ、ニューヨークの人。
もの書き。煙草と読書と睡眠が好き。
群れるの嫌い。有名。

先日、テレビに出て、
「みんなでトランプ(大統領)を殺しちゃう?」
と言って、ヤンヤの喝采。
そんな人。

 

とは露知らず。『嫌いなものは嫌い』って
タイトルの本があることを知り、
読んでみたら、彼女に辿り着いて…。

その『嫌いなものは嫌い』の感想から。

フラン・レボウィッツ Fran Lebowitz 著『嫌いなものは嫌い:メトロポリタンライフ入門』(原題 Metropolitan Life )の表紙です。フランさんの面構えがいい。

 

電話で起こされたくない!(寝ていたい)
で幕を開けるエッセイ集は、
全編、ジョーク連発。

彼女のジョークは…なんと言うか…
「それ、当たってる。そうそう。
 痛烈だけど、最高に笑える~」って
感じの物言い。

 

たとえば、

カリフォルニアから、
声まで日に焼けた男が
電話口で言う「△※○@*」
( ニューヨークじゃ
  考えられないよね! )

って感じ。

 

日本でいうと、ナンシー関さんに近い。
(ただし、有名人ネタは皆無)

かなり痛烈で、
その時代、ニューヨークにいないと
わからない(:ピンと来ない)所も
あるけど、切れ味は抜群。

オモシロイ。
エッセイストとして売れた理由。
わかります。

 

なので連読。

2冊目『どうでも良くない
どうでもいいこと』の感想です。

フラン・レボウィッツ Fran Lebowitz 著『どうでも良くないどうでもいいこと』(原題 Social Studies )の表紙です。フランさんの目線が鋭い。

 

売れちゃった後のエッセイ集です。

「ボロアパートから引っ越すぞ~」
「それにしてもニューヨークの
 不動産事情って変だよね!」
な話がオカシイ。

前作に続き、ニューヨーク暮らし
という視点でジョーク連発。
ただトーンはマイルドに。
(:話が整理され、多くの人向けに
  書いている。やや教訓的)

正直、ちょっと物足りない。

 

でも行くぜ!な勢いで、

3冊目『チャスとリサ、台所で
パンダに会う』を読みました。

フラン・レボウィッツ Fran Lebowitz 著『チェスとリサ、台所でパンダに会う』(原題 Mr.Chas and Lisa Sue meet the Pandas )の表紙です。パンダ2頭が廊下を歩いています。どこかぬいぐるみっぽい。

これは、創作童話。物語です。
ジョークは一切なし。
おだやかで、優しい話。

 

主人公の一人、男の子、チャスは
作中で盛んに辞書を引きます。

「言葉と、こう向き合うのよ」と
フランさんが子供たちに
語り掛けているよう。

ジョークの果てに、彼女が見つけた
「やらなければ!」を見たような
気がします。
それとも、長い長いジョーク?

 

フラン・レボウィッツさん。
あまり馴染みのない方かも
しれませんが、一読の価値、
あると思います。

 

 

【追記】
訳本の原題を記しておきます。

『嫌いなものは嫌い』の原題は
Metropolitan Life (大都会生活)。
全然、ちがうでしょ。しかも、
「嫌いなものは嫌い」は作中に
出てこないのです。つまり、
出版社さんが付けたキャッチコピー。

原題では売れない!と踏んだ結果?

 

『どうでも良くないどうでもいいこと』の
原題は、Social Studies (社会科)。

またまた、まったく違うでしょ!
原題では売れない! と確信した?
出版社さんがキャッチコピー再び 。

 

創作童話の
『チャスとリサ、台所でパンダに会う』
の原題は、
Mr.Chas and Lisa Sue meet the Pandas
です。

「台所で」は付いていません。
しかも「台所で」会っていません。

「台所で」を付けたら
「えぇ、それ何?」で関心倍増と
読んだ出版社さんが足した?

 

3冊の版元は、いずれも晶文社さん。

 

「変だよ~」と想う一方、
晶文社さんが手を挙げなかったら、
訳本は世に出ていないのです。

Thank You (^▽^;)

 

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