「本を贈る」について

矢嶋ストーリの矢嶋です。

今日は、
「本をプレゼントするって?」な話を
書きます。

本のバレンタインデーと誤解された
サン・ジョルディの日
(Saint George’s Day、毎年4月23日)の
本当の意図に思いを馳せ、

「これ、知ってるか」と
お父さんが息子に本を手渡す。
そんな気持ちに思いを巡らせ、

世界本の日や子供読書の日を
横目で見ながら、
ギフトとして本を想ってみます。


以下の目次に沿って
書いていこうと思います。

では、話を始めましょう。
最初は、本のバレンタインデーと
誤解されてしまった(最悪!)
「サン・ジョルディの日」の話から。

「サン・ジョルディの日」の本当

聞いたところによると、
スペイン、カタルーニャの人たちは

愛する人に花をプレゼントするって、イイね。
今日は、本を添えてみようかな?

🌹+📖 😍

と思っていらっしゃるみたい。

その贈る人ですが、
ご家族、友だち、誰でもいいそうです。

娘さんが、お父さんへ🌷。
「この本も、読んでみて」と、花を添えて。

友だちどうしで
「この本、よかったよ~!」
押し花🌼のしおりと一緒に。

このパタン、すべてあり。

でも、どの国にも恥ずかしがり屋さん、
照れ屋さんはいて、

きっかけが欲しい人に、
特定の日を用意しましょう!
ということになり、

その日が
サン・ジョルディの日
(聖ジョルディの日、
 Diada de Sant Jordi  ←スペイン語
 Saint George’s Day ←英語)
にみたいなんです。

で、
せっかく機会を作ったんだから
恥ずかしがり屋さん、照れ屋さんが
チャンスを逃さないように
4月23日に別の名を付けよう。
El dia del Llibre(「本の日」)って
呼んでおこうか。

ということらしいのです。

けどね。本だけを贈るのは❌。
花に添えて。

🌹+📖 😍

そんなノリみたいです。

¿Sabías?(ご存知でした?)

誤解よ、解けろ!

このカタルーニャの洒落っ気、
いいな!と思いました。

プレゼントのメインは、花💐。
(=「愛してるよ〜、大好きだよ」)

なんなけどさぁ。

そのオマケに本📗。ワイン🍷でも
チョコ🍫でもよかったんだけどね。

でもさぁ、
今日は何となく、
本の気分だったんだ。

「はい、お父さん」
「はい、お母さん」

「はい、◯◯さん」
「はい、△△ちゃん」

なのにどうして、日本では
「4月23日は本のバレンタインデー」なんて
言い出しちゃったんでしょう?

チョコを贈るんだから、
本でもいいじゃない!
だから便乗。
本を贈ったら、業界、儲かるじゃない!

こんな軽薄を
ヤラカシちゃったんでしょう?

だっせー。そして迷惑。

このエセ・キャンペーンのおかげで
本を贈るカタルーニャの洒落っ気は
ひどく伝わりづらくなってしまいました。

サン・ジョルディの日に
引っ掛けた読書推進運動ってのも
どうかな?と思っています。

今日は何の日? 記念日です!
 世界本の日 World Book Day です!
 世界図書・著作権デー
  World Book and Copyright Day です!
 子ども読書の日です!

って言われてもね。

サン・ジョルディの日の本当⤵︎が
正しく理解されるといいなぁと
思っています。

Felicitació, del dia de Sant Jordi. Happy Sant Jordi's Day. 23 avril est le jour de Sant Jordi. 4月23日はサン・ジョルディの日です。ステキな本を愛する方へ。矢嶋剛のイラストです。

本を贈る風景

そして、日本でも、いつの日か、
本来のサン・ジョルディの日なノリで
本を贈る習慣が広がるといいなぁ、と
思っています。

花💐に添えて、添えなくてもいいけど、
気軽に本📗を贈っちゃう。

ご両親に。
お子さんに。

友だちに。
同僚に。

そんな想像、あれこれ
しています。

たとえば、

#シーン1 父親から 高校生の息子へ

「これ、知ってるか」と
お父さんが
沢木耕太郎の『深夜特急』を手渡す。

『深夜特急』は
沢木さんの世界貧乏旅行紀です。
その本をこれから高校を卒業する

息子に渡す。

渡すとき、内容を言わない。
なぜ手渡すかも言わない。

息子も父の意図を掴みかねている。

静かな食卓。金曜日の夜。



こういう風景、
あったらいいな!
と思っています。

気軽に贈ってみませんか

もっと気軽な風景も
想像しています。

「この間、古本屋さんをのぞいたら
 このミステリーを見つけて。
 読んでみたらけっこう良くてね。
 だから、よかったら、あげる!」

こんな軽いノリが広がったら、
すごくいいと思うんです。

もらった方も軽いノリ。
「じゃぁ、もらっちゃうね。
 ありがとう」
と言って受け取って。

でも、今、忙しいから
本棚にしまって。

贈った方も贈られた方も
すっかり忘れた頃に
ふと思い出して
ページをめくり始める。
 
そういう感じで
十分だと思うんです。

こう思うのは経験があって。

このブログに別記事で書いたんですが、
わたし、『ゲド戦記』って
このノリで読み始めました。→🔗

机にドンっと置かれてから
読み始めるまで数年。

読書って、とくに贈られた場合は、
そういうものじゃないかと
思っています。

ですから、気軽に。
贈ったことを忘れちゃうくらい、
本を気軽に贈ってみては!

そんなこと、思っています。

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          矢嶋剛

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