みなさん、こんにちは
今回は、映画の話を書きます。
フライヤー（映画館にある小ポスター）に惹かれて
『マイ・ブックショップ』を観に行きました。
いい作品です。ストーリーはちろんですが、
音に引き込まれます。
といっても音楽ではありません。
この作品、音楽も効果音もほぼゼロ。
聞こえてくるのは風の音そして波の音。
それだけで構成される、静かな世界。
監督はイザベル・コイシェさん。
彼女の世界観をファン（になりました！）の
一人としてご紹介します。
コンテンツは以下の通り。
まずは映画のフライヤーから。
こんな作品です（ちょっとネタバレ）
⤵️フライヤーです。
ブックショップ（：書店、本屋さん）の物語です。
中央の女性が主人公。
彼女が、UK🇬🇧のとある街に
ブックショップを開店します。
インターネットなどない時代の話です。
その街には、それまで
ブックショップがありませんでした。
では、予告編をご覧ください。
女性が新規事業をするなんて🤔、経営するなんて🙄
そんな時代でした。
（劇中の銀行員の態度が時代を表しています）
街の人にとって、初めてのブックショップでした。
どう利用していいか、わかりませんでした。
応援してくれる人もいました。
煙たく思う人もいました。
彼女に対する仕打ちに、
監督のイザベラ・コイシュ
Isabel Coixet Castillo さんは、
怒りを露わにします。
「アイツ、コイツ、嫌な奴！」
「こういう事、するんだ～（怒）」
「悔しいじゃない！」
よくわからないかもしれませんが、
そういう作品です。
イザベル・コイシェ監督の音
と偉そうに書いていますが、
作品に関する予備知識はありませんでした。
映画館で、次回作の案内に触れて、
「よさそう」と感じたら素直に観に行く。
よかったらフライヤーを持ち帰る。
（人に教えやすくなるから）
そんな風に観る人なので、この作品も
頭、空っぽのまま、
スクリーンに現れる世界を
ストレートに楽しみました。
そして、惹き込まれました。
ストーリー、👏🏾👏🏾👏🏾👏🏾👏🏾だし、
音が、すごく、心地よいのです。
とくに、人のいないシーン。
風景に寄り添った音が魅力的。
沖から海岸へ吹き寄せる風の音。
風が通り過ぎていくときの
林のざわめき。
その魅力、YouTubeで見つけた、
映画のメイキング動画から感じてください。
耳を澄ませば
（映画館での話に戻ります）
ラストシーンが終わり、
エンドロール（最後に現れるスタッフ一覧）が
スクリーンに映し出されるときには、
監督の名前、知りたくなっていました。
イザベル・コイシェ Isabel Coixet Castillo さん
っていう方でした。（存在を知るのも初めて）
映画館を出て、カフェに入りました。
よい作品に出会えたときは、たいがい
こうします。余韻に浸りに行くんです。
持ち帰ったフライヤーを眺めながら、
コーヒーとドーナツを楽しみながら、
心地よい音を思い出していました。
といっても、作品に音楽は流れません。
ゼロではないんですが、流れていた？と
思うほど流れないのです。
ガンガン盛り上げ系のBGMとか、
でかい歌声が鳴り響いちゃう系とか、
ああいう音は一切なし。
効果音もなし。
とにかく、ものすごく静かなんです。
だからでしょう、
紙と紙のすれる音、本を重ねるときの音、
ティーカップをテーブルに置く音が
ちゃんと聞こえてきます。
静かなので、セリフが
細部まできちんと響きます。
そのセリフも多くなく、すべての出演者は
言葉よりも、仕草と表情で演技をします。
無音・表情・仕草・無音・無音・言葉・無音・…
こんなシーンが連なり重なり合っていきます。
ですから、風の音、波の音に気づきます。
静かな世界にどっぷりと浸れるのです。
注意して耳を傾けなくても
耳を澄ますことができます。
すごく、ゆったりとした気分になれます。
Relaxing !
静かな映画
思えば映画って、いつの間にか、
いかに目立つか合戦になり、
うるさくなっていきました。
映画会社の作品（旧来の映画）と、
VODS（例 NETFLIX）のオリジナル作品が
競合するようになると、
（アカデミー賞の奪い合いに発展）
この傾向は、ますます強くなりました。
その結果、心静かになれる作品が
マイナーになっていきました。
でも今回の『マイ・ブックショップ』を観て、
静かな映画っていいなって思ったので、
最後におすすめ作品をいくつかご案内します。
静かに浸ってください。
ということで、
静かな映画①
かもめ食堂（2006年）
三谷幸喜さんや宮藤官九郎さんが人気の日本では
珍しい静かな作品。スウェーデンのヘルシンキにある
日本食食堂の風景を淡々と描く。小林聡美さん、
片桐はいりさん、もたいまさこさん主演。
監督・脚本は荻上直子さん。
静かな映画②
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ（2014年）
原題は、Les Heritiers（受け継ぐ者たち）。
パリ郊外のレオン・ブルム高校の問題児たちが
全国歴史コンクールで優勝するまでを描く。実話。
教室のざわめきが響く。Ariane Ascarideさん主演。
監督・脚本はMarie-Castille Mention-Schaarさん。
静かな映画③
本当の目的（2015年）
原題は、Three Days in September。列車の中で
偶然に出会った二人の女性。アルバニア（：アドリア
海沿岸）の田舎の別荘で繰り広げられる人間ドラマ。
Irena Ristićさん、Kamka Tocinovskiさん主演。
監督Darijan Pejovskiさん、脚本Igor Ivanov Iziさん。
静かな世界、お楽しみください。
矢嶋 剛
P.S.
『マイ・ブックショップ』の余韻、
実は、この後も。
ストーリーに対する興味が湧き、
原作小説を読んだんです。
そうしたら…の話、
よかったら、こちらから。