出版5ヶ月後、アマゾンが電子書籍を突然、一方的に販売停止=調査中に。

みなさん、こんにちは
 
今日は、悲しいお知らせを
しなくてはなりません。

2020年10月2日発売の
『認識の交歓というアレ』が
2021年3月1日以降、
Amazonで購入できなくなりました。

サイトを見ると「調査中」の文字が
表示されていますが、実際は
Amazonが販売を停止させています。

何の通告もなく、突然の、
一方的な販売停止。

出版後5ヶ月も経って、なぜ?
読者にとっても、
ビジネスパートナーである
わたしたち出版者にとっても
納得できない、理不尽な対応。

こういう迷惑が拡大しないよう
その詳細を
以下のコンテンツに沿って
説明させていただきます。

最初に、
何が起きたか?を報告します。

まずは事実を

2020年10月2日発売の新作
『認識の交歓というアレ』が
2021年3月1日以降、
Amazonで購入不能になりました。

スマートフォンでサイトを見ると
「調査中の商品」⤵️となっています。

『認識の交歓というアレ』、このタイトルは現在ご購入いただけません。「調査中の商品」とアマゾンのサイトで表示されています。アマゾンAmazon、キンドルKindleによる一方的な販売停止措置を読者様に説明するブログ記事「リフローじゃないから販売停止。アマゾンKindleさんの誤断で、ご迷惑をおかけしています。」に使用したスマホ画面のスクリーンショット画像です。

「このタイトルは現在購入いただけません」
の記述があります。

しかし理由は書いてありません。
その代わりに「調査中の商品です」とだけ
書いてあります。

ではAmazonは
何を調査しているのでしょう?
実は調査などしていません。

真相は、Amazonによる
一方的な販売停止措置なのです。

販売停止は突然始まりました。

連絡はメール。2021年3月10日に。
3月1日より販売を停止した、と
通告されました。
(「した」←過去形です)

ひどい措置です。

販売停止になっていた、この9日間、
わたしは、読者のみなさんに
ご迷惑ご心配をおかけしているのに
気づけずにいました。

ほんとうに ごめんなさい。

でも、なぜ…

もし停止するにしても…

Amazonは、なぜ
事前にコンタクトを
取らなかったのだろう。

3月1日(=月初)にメールを
自動送信する準備を終えていた
ということは、遅くとも2月中に
中止の判断をしていたのだから、
事前連絡の時間はあったはずです。

それでも連絡しない!のは
故意。

つまり、Amazonの意思なのです。

そして、この判断は間違っています。

真の読者対応、お客様対応を
重視しているなら、
出版者に事前連絡することは
当然だからです。

この点だけでも、Amazonは
明らかに間違っているのですが、

故意に間違っている企業に
間違っている!と指摘しても
拉致があかないので、

まずAmazonの主張を理解し、
販売停止の解除にむけて
販売再開の交渉へ始めました。

彼らの停止の理由は
「この本はテキスト主体なので
 リフローにせよ」でした。

確かに、この本は、
テキスト主体のページを
画像化して画像の束として
電子書籍化しています。
(漫画本を想像ください)

彼らの指摘する通り、
リフロー(画面に応じて文章の行が
伸縮する技術仕様)
ではありません。

文字が画像化してあるので、
テキストの検索や
自動読み上げが出来ません。

そのことは十分、承知しています。
でもページを画像に変換して
電子書籍化しました。

なぜなら、
その原因は、Amazonにあるからです。

真の原因は、縦書きへの不十分な対応

Amazonで販売停止=調査中になっている
『認識の交歓というアレ』は
テキスト主体のページを画像化し
画像の束として電子書籍化しています。

でも本来の姿は、そうでは
ありません。(作品ページ🔗

この本は、
文字をテキストデータとして保存し、
テキストの検索や自動読み上げも
出来る電子書籍として制作されました。

その(本来の)電子書籍のファイル形式は
縦書き・固定レイアウトです。

リフローよりも先進的、
(でも世界標準として認められている)
この技術仕様は

・文字をテキストデータとして保存
・ページの文字数と行数を固定できる
 (=画面に合わせて、行の文字数が
   自動的に増減しない)

のが特長です。

ですから、縦書きでもリフローと違って
とても読みやすい読書環境を提供できるのです。
(=文庫本を文庫本として楽しめる)

(詳しくは、別の投稿🔗をお読みください)

つまり、本来の
『認識の交歓というアレ』は
縦書き・固定レイアウトで制作された
電子書籍なのです。

そして、この技術仕様に対応している
Apple Books ではふつうに読めます。

ところが、Amazon(正確には
彼らの出版部門であるKDP)は
縦書き・固定レイアウトに未対応なのです。

ですから世界標準で、
Apple Books でもフツウなことを
Amazonでは出来ないのです。

この点について、わたしは
KDPに相談しました。
(今度の事件が起きる前、
 同じ縦書き・固定レイアウトの
 『パンで街を幸せに』を
 Amazonで販売するときに)

そのときの彼らの返答は
「KDPでは、縦書き・固定レイアウトは
対応していないので、ページを崩さないで
出版するなら、画像化してください」

でした。

ですから、『パンで…』は
そうしましたし(現在も)、
『認識の交歓というアレ』も
そうしたのです。

以上が
『認識の交歓というアレ』が
リフローでない理由です。

リフローでないのには
正当な理由があるのです。

横書き文化=Amazon なのか

背景が見えてきたと思います。
ですから、話を
販売停止措置の解除に向けた交渉へ
戻しましょう。

停止措置直後に、わたしはKDPへ
以下のメッセージを送りました。

🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹

テキストを読める縦書き固定レイアウト仕様は
AppleBooksで配信が可能であり、
AppleBooksではこの本で読者が快適な読書体験を
しています。根本の問題は、同じ読書環境を
提供できないのはkindleの技術対応にあります。
御社から固定レイアウト対応可能の連絡があれば
即時対応します。しかし連絡は未だにありません。
「突然、リフローでない」との理由で出版停止を
強制・継続するのは間違っています。
縦書き固定レイアウト仕様に対応できないのなら
速やかに販売停止を解除し、読者に読書の機会を
取り戻させることが御社の使命だと考えます。
早期に販売停止を解除してください。

🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹🔹

ところが、完全無視。

何の返事もありません。

⤴️のメッセージを担当者は読んだのか、
読んでいないのか。それもわかりません。

彼らがおこなっている行為は、
月に1回、本の原稿ファイルがリフロー型に
なっているかを確認する
自動プログラムの起動だけです。
(これが彼らの言う「調査」)

そして、一方的な販売停止措置は
今も続いているのです。

以上が、今回の販売停止「事件」の
あらましです。


それにしても
Amazonの対応は理不尽です。

そして疑問も多いのです。

なぜ、出版してから5ヶ月も経って
販売停止措置に転じたのでしょう?
いったんOKを出したのに、
それを後になって一方的に撤回する。
なぜこんな措置が取れたのでしょう?

疑問2つめ。
なぜ、対象が
『認識の交歓というアレ』なのでしょう?
『パンで街を幸せに』は
なぜ販売中止にならないのでしょう?
 追記 2023年12月14日
 『パンで…』も販売を停止されました。
 しかも今回はサイトからの抹消措置。


疑問3つめ。
なぜ、縦書き・固定レイアウトを
採用しないのでしょう?
優れていて、世界標準の技術仕様なのに
無視する理由は?
Amazonの読書リーダーkindle fire に
何か問題があって採用に踏み切れない
のでしょうか?

最後の疑問については
縦書き文化の規模(=世界人口に占める、
縦書きを快適に読みたい人の割合)が
効いているのかもしれません。

縦書き、そして改行の妙を
楽しむ人って、
漢字と仮名を使いこなせる
日本人しかいないとしたら。

その日本人も、最近は
横書きの書籍を読むことが
多くなっているとしたら。

そんな小さな需要のために
Amazonのシステムを
変更する必要はない!
という認識が彼らには
あるのかもしれません。

でも、そうならば、
Apple Books は、
なぜ対応するのでしょう?

この一連の疑問のセット、
ビジネス・スクールの
ディスカッション・テーマに
しても面白いかもしれません。
(と思うくらい謎です)

最大の被害者は読者

いろいろ書きましたが、
現状として…

『認識の交歓というアレ』に
興味を抱いても、Amazonでは
読むことができないわけです。

それも突然。

理由は示さず、事実は異なる
「調査中」で事態を隠蔽し、

本や著者、出版者に関する
ネガティブな印象を
ばら撒き続け、

事態の改善のために
出版者と交渉する意欲はゼロ。
(=出版者を完全無視)

こうした一連の態度って、
よく考えてみると、

Amazonの意向一つで
本当に読みたい本が
読めなくなる!

Amazonは、
世界最大の書店サイトなので、
その影響力は甚大!

ということを暗示しています。

それは、怖すぎる。

電子書籍は素晴らしいのに。

書店サイトと出版者(わたしも)は、
その真価を読者から問われる時期に
入っているのかもしれません。

いずれにしても、
最大の被害者は読者です。

理由はどうあれ、知の意図的な選別は
世界を不幸にします。

(その悲惨を描いたミステリー、
 別の投稿🔗をお読みください)

そのこと、肝に銘じて、
これからを過ごしたいと思います。

           矢嶋 剛

P.S.
今回の理不尽に屈することは
誰のためにもならないので
『認識の交歓というアレ』は
Amazonから削除せず、あえて
「調査中」にしておきます。
   (😢の確認🔗です)