日本沈没→科学博物館 地球を学ぶ

みなさん、こんにちは
 
『日本沈没』という作品を
ご存じですか。

小松左京さんの大ヒットSF小説。
1973年に初の映画化。その予告篇👇。

衝撃的でした。日本列島が沈むんですから。

なのに、原作小説は未読のまま。
ところが最近、ふと気になって読んだんです。

そうしたら、映画やドラマにはなかった
(揺れたり、壊れたり、沈んでばっかり!)
沈没のメカニズムが書いてあって「おおっ」。

その勢いで
国立科学博物館行き「ほほ~」。
足りたいところはWikipediaで「ふふふん」。

そんなドタバタ地球学習記。
わかった事を書いてみます。

コンテンツは以下の通り。

それではまず、きっかけの話。
映画『日本沈没』は衝撃的でした。

映画『日本沈没』

子供の頃、なんの気もなく、
その映画を観てしまいました。

今となっては経緯不明。
タイトルは『日本沈没』だったので
日本が沈むんだな!は分かっていたはず、
なんですけど。

で観ると、沈んでいくんです。
知っている場所、聞いたことのある地名が
沈んでいく。

地震、山崩れ、津波で壊れていく。

衝撃的でした🤯🤯🤯

ゴジラが東京を壊すのと
スケールが違います。

地面そのものが無くなっていくのです。

住んでいる場所や、学校のある場所が
無くなっていく。

=住むところがない。学校は?友達は?

取り返しのつかない事が描かれている。
子供でもわかりました。

映画公開の翌年1974年~75年に、
テレビでドラマ版が放送されました。
(毎回どこかが沈んでいました)

学校の同級生もみんな観ていて、

ただ一人沈没を予測する科学者
田所博士(=小林桂樹さん)の台詞、
流行りました。

「最悪の場合には…日本列島は
 海に沈んでしまうでしょう」


お口あんぐりの子供たち、

「最悪の場合には …今日の宿題を
 忘れてしまうでしょう」


とか言って、怖さを誤魔化し。

この恐怖のせいでしょうか、
田所博士の話を真剣に聞く劇中の人物、
総理より偉い人の名前「渡老人」を
わたしは今でも覚えています。

原作を読んでわかったこと

でも、小学生だったわたしは
原作小説にまで手を伸ばしませんでした。

怖い話なら『へび女』や『恐怖新聞』があったし、
『ガキデカ』とか『マカロニほうれん荘』で
忙しかったし、関心は向きませんでした。

あれから40年。

必要を離れた読書が再び中心となり、

読み飛ばしていた?本を探す中、
ふと『日本沈没』を思い出したのです。

そして読んでみました。すると、

小笠原の海溝に… 「どこ?」

 ここでした⤵️(Wikipediaより)
 (正式名:伊豆・小笠原海溝)



日本海溝の底で… 「どこ?」

 ここでした⤵️(Wikipediaより)
 (右。Japan Trench と書いてある谷間)

な言葉が
たくさん出てくるのです。

う〜ん。

どうやら、この『日本沈没』は
怪獣ものにありがちな
「ある日、東京湾に〇〇出現」ではなく、
ちゃんとした地理学的・科学的根拠に
沿って書かれていたのだな!

ということに気づきました。
(ようやく😅)

そして、日本列島の地理学的理解がないと
楽しめないことを悟るのでありました。

ならば、さっそく。

本を置いて、上野へGo!

国立科学博物館に
行ってみることにしました。
(とりあえず)

国立科学博物館に関連の展示が!

そして発見!

日本列島の展示 in 国立科学博物館
によると、

遥か昔、日本列島は一直線で、
ユーラシア大陸の沿岸部でした。⤵️

国立科学博物館で撮影した展示物です。日本海ができる以前の日本が写っています。 日本海が出来る前、日本列島はユーラシア大陸の沿岸部でした。それが次第に移動し、 今の日本になりました。移動は2方向に。 西日本を乗せたアムールプレートが南に(:下向きの↓)、 東日本を乗せたオホーツクプレートが東(:右向きの→)に移動。結果的に南東へ移動した様子がわかります。 矢嶋ストーリーのブログ「矢嶋ストーリー's news」の「『日本沈没』で地球に目覚める」の 文中に出てくる写真です。
国立科学博物館で撮影。 日本館3Fを探して。

真ん中から北(関東、東北、北海道)は
下部を東へ回転させながら。
真ん中から南(近畿、中国、四国、九州)は
上部を南へ回転させながら、

動き出し、それでも離れず。
今日の逆L字な日本列島に
なったそうです。

曲がらず…でもよかったのに!と
思われましたか?

でも無理みたいです。地球では
陸地も海底もプレートと呼ばれる
超巨大岩盤に乗っていて、
プレートが移動すると、乗っている
陸地も海底も動くんだそうです。

そして、日本列島は
3つのプレートに乗っているようです。

西半分(:西日本弧と言います)は
アムールプレート、
東半分(:東日本孤と言います)は
オホーツクプレートに。

西日本弧と東日本孤の境目は
「糸魚川静岡構造線」と
呼ばれています。正体は、
新潟県の糸井川・長野県の諏訪湖・
静岡県の安部川を結ぶ 巨大断層。⤵️
(≒アムールプレートとオホーツクプレートの境界)

国立科学博物館で撮影した展示物です。日本列島を支える4つのプレートが写っています。 左から。西日本を乗せたアムールプレート、東日本を乗せたオホーツクプレート、 伊豆半島を乗せたフィリピン海プレート、一番東の線の外が太平洋プレートです。 矢嶋ストーリーのブログ「矢嶋ストーリーnews」の「『日本沈没』で地球に目覚める」の 文中に出てくる写真です。
国立科学博物館で撮影。汚い書き込みは byわたし。

さて、西日本弧と東日本孤。
いつまでも、このままで
と思うのですが、遠い未来に
お別れするかも…。

というもの、現在も
両プレートは移動していて…

ところが「ちょっと待った~」な
フィリピン海プレート(伊豆半島と
伊豆諸島を乗せています。
上の写真の下を見てください)

アムールプレイトと
オホーツクプレイトを
北へ押し上げ続けます。

日本列島、3つのプレート。
押し合いで、微妙なバランス!
というわけです。

この三つ巴のせめぎ合いを
「ござかしか!」
と思うプレートがいます。
超超超巨大!太平洋プレートです。
(上の写真、右端に登場)

「おまえら、まとめて
 西の方へ押しちゃる」と大圧力。

ビビる3プレートは
「どうぞ押してください。
 押し終わったら、わたしたちの
 下へ潜ってください」
とお願いして、

日本列島、今の位置に
留まっているそうです。

メカニズム明記なSF、希望

その科学的知識をベースに
『日本沈没』作者の小松左京さんは、
「もし、太平洋プレートが、突然、
 西に押すのを止めちゃったら…」
と着想。そうなれば…


フィリピン海プレート、
東から押される圧から解放。
東へ移動を開始。
小笠原諸島近くの海底が
東に広がる日本海溝という深海へ
プレートごと飲み込まれていきます。

(この辺りの描写が小説の最初に)

(最初に紹介した映画予告篇👆🏾
「日本海溝の底でいま何かが起こっている」は
 この部分を描いたシーンです)

連動して…。太平洋プレートと
フィリピン海プレート両方の圧から解放された
オホーツクプレートとアムールプレート、
それぞれ移動を開始します。

この大変動は、
巨大地震と火山の噴火を
次々と引き起こします。🌋🌋🌋🌋🌋🌋

阿鼻叫喚の中、
アムールプレートは
フィリピン海プレートのあった深部へ。

オホーツクプレートも
フィリピン海プレートと同じ様に
日本海溝へ没していきます。

西日本弧と東日本弧は
くっついている必然を失います。

やがて
日本列島は東西に裂け始めます。

そして日本沈没。う~ん(唸り声)

『日本沈没』、読んでみてください。


それにしても『日本沈没』。
スケールが大きい。
そして科学的な根拠に裏打ちされた
メカニズムが書いてあります。

その精度、『2001年宇宙の旅』より上。
(あのラストの不思議シーン、続編の
 『2010年宇宙の旅』での説明に🥱)


こういうSFを読みたいです。
今回みたいに勉強のきっかけになるし!

            矢嶋 剛

P.S.
この辺りの地球のメカニズム、
きちんと知っておきたいなぁ。

ということで、プレート移動といえばアレ。
アルフレート・ヴェーゲナーさんの大陸移動説。
その著『大陸と海洋の起源』を読みました。

そこには…、すごい衝撃、Ultra Shock !
その話は、次回、書きます。お楽しみに!