新作『おいしい野菜を食べたくて』は食と農業の危機を描いた真面目なSF

みなさん、こんにちは
 
今回は、農業のマーケティング の本を
出したよ〜、SFだよ〜、という話を
書きます。

なぜ農業なのか?というと、
ヤバいからです。マジでヤバい。

ご存知ですよね。
カット野菜、冷凍の野菜、
出来合いの惣菜(野菜系)が
売れています。

「野菜おいしくなくても」現象が
広がっているのです。

JAや道の駅の直売所人気が続いている
(=おいしさを知る人がいる)
うちに対策を!

そう願って
『おいしい野菜を食べたくて』を
緊急執筆&出版。

この危機感を
以下のコンテンツに沿って
ご説明したいと思います。

それでは最初に、
今、何が起きているのか? から
説明していきます。

今の農業が抱える根本的な問題

それは、
野菜のおいしさを知らない人が
増えている! です。

原因は、おいしくない野菜。

冷凍食品の野菜は無味。
香り、無し。

こういうの(失礼!)を
濃いデミグラソース風に
放り込んで食べると
ソースの味しかしません。

でも、こういうのをフツウに
感じている人、います。


それから、カット野菜ですが、
あれ、パサパサで、おいしくありません。

でもカットしない人(in 包丁のない家庭)、
したくない人、苦手な人の間では
定番アイテムになっています。


そしてパック入りの
出来合いのお惣菜(野菜系)。

あれ、上手に味付けされていますが
野菜のおいしさは味わえない。

でも少量で、お手頃で、
煮物とか食べたいけれど…な人に
選ばれています。

最後に、スーパーの野菜売り場に
並んでいる野菜ですが、

本来の味を知る人は
「おいしくない」と感じているはず。

たとえば、
予冷品のほうれん草。
あれ、おいしくないです。

でも野菜の味を知らない人は
「おいしい、新鮮」と感じる。

この分断
都心でフツウの出来事に
なっています。

新鮮でおいしい野菜ばかり
食べている農家の人には
信じられないかもしれませんが、

都会の、
おいしさを知る人にとっては
野菜、おいしくないです。

おいしくない品は
買いたくありませんよね。

できることなら
買うのを止めたくなる。

とても自然な行為です。


話を転じて…

野菜の直売所人気が
なぜこれほど根強いか、
わかりますか?

都会の消費者は、ここまで
追い詰められているのです。

ですから旅先で、
野菜の直売所を必死に探します。

でも、そういう人たちは
野菜本来の味を知る一部の人(高齢者多し)。

彼らはやがて地上から退場します。

そのとき残る人たちは、
野菜のおいしさを知らないので、
野菜に無関心になるでしょう。

そんなとき、
割安の代替品を見つけたら…
おそらく簡単にスイッチします。

野菜を忘れます。
(魚の種類がわからない子供は、その予兆)

そんな日が農業に、
刻一刻と近づいているのです。

仮説 知らなくても平気な日

野菜本来のおいしさを
知らない人が80%を越える。

その日を今、仮に
「知らなくても平気な日」と
呼んでみましょう。

そして、その日の風景を
思い描いてみましょう。

シーン#1
チューブ入りの大根おろしで
サンマを食べる一家。

小学生の子供がお母さんに尋ねます。
「ママ、ダイコンオロシって
 なんで出来ているの?」

シーン#2
野菜の栄養をサプリメントで
摂取している一家。

小学生の子供がお母さんに報告します。
「ママ、A君ち、
 まだ野菜を食べてるんだって。
 考え方、旧いんだね」

まさか?と思われますか?

でもチューブ入りの大根おろし、
売っています。

野菜の栄養を成分にした
サプリメント、あります。

そして筋肉💪🏾を付けるために
プロテインを飲む人、
たくさんいます。
(#プロテインダイエット)

「知らなくても平気な日」を引き寄せる現象、
あちこちで見かけます。

だからSFでお伝えします

この危機感をみなさんと
シェアしたい。

そう考えて、新作
『おいしい野菜を食べたくて』は
Science Fiction
(空想科学小説 以下SFとします)に
仕立てました。

というのも、SFって、
星新一さんのショートショートや
小松左京さんの『日本沈没』のように
フィクションの中でも、もっとも分析的で
シニカルな未来の描写に適しているんです。
(こうなったら最悪🥶もOK)

「最悪の場合には…日本列島は
 海に沈んでしまうでしょう」

       by 田所博士 日本沈没より

ですから、このSFの力を借りて、
野菜のおいしさを知らない恐怖を
描いてみようと思い立ったのです。

そして物語の主人公をいきなり
「野菜のおいしさを実は知らなかった」
恐怖の中に突き落としました。

こうして出来た作品が、この

『おいしい野菜を食べたくて』です。

ジャガイモが
主人公の人生をを翻弄していく。
その恐怖をお楽しみください。

ストーリーの解説も載っている、
作品ページはこちら🔗から!

一刻も早く 対策を

いろいろ不吉なことを
書き散らしましたが、

危機対策はダイエットと同じ。
勇気を出して現実を見つめましょう。
(=体重計に乗ってみましょう)

ということで、最後になりましたが、

農家、野菜関係のみなさまに
心よりお願い申し上げます。

ここに書いた危機感を感じたら、
何か対策を講じてください。

みなさんは、
現状を変える行動力をお持ちです。

その象徴が
産地々々に開設した、野菜の直売所。

あれは素晴らしい好手でした。

都会で失われつつある
野菜本来のおいしさ(+安さ)を
消費者に思い出させたのですから。

けれど、ほころびもチラホラ。

観光地なんだから高値でも
買うと思い込む「誤解型」、

直売所と言いながら
他の産地の野菜を置く「名折れ型」、

商品にならない不出来な野菜だけを
並べる「お小遣い稼ぎ型」

など人気便乗の直売所も増加。

野菜人気を支えてくれる、
いちばんのお客様を自ら潰す愚策が
目立つようになりました。

そして、都心は相変わらず。
おいしくない野菜があふれています。

おいしい野菜は高いんだから
金持ちだけが食べればいい!では
問題は解決しません。
(一部の農家しか生き残れない)

ふだん、ふつうに食べれる、
お手頃価格な野菜本来のおいしさを
提供することこそ肝心です。

そんなマーケティング(お客様😊)が
今、求められているのです。

          矢嶋 剛