特別展三国志は失敗企画の典型

 

東京国立博物館(上野)で開催された
「特別展 三国志」を観てきました。
そして企画について考えました。

想ったことを、企画進行モード(想像)
書いてみようと思います。

 

この企画は、三国志に出てくる
曹操孟徳という人の墓が見つかった!から
始まっています。日中なんたらかんたら。

でも、そんな墓(もちろんレプリカ)を
お金払ってまで、夏休みを使ってまで
「我が眼に焼き付けたい!」と願う人は
いないと思います。

 

だって興味ないもの。😝

それを夏休みの企画展として
ぶつけてきたわけです。

たくさん客を集めろよ~
チケットたくさん売れよ~

と担当者は発破をかけられたと
思います。

人生は厳しいですね。

日中なんたらかんたらですから
国が運営する博物館として
断りづらかったんでしょうね。

 

「展示品、どうする~?
 墓のレプリカだけじゃ、足りな~い」

「ポスターに墓のレプリカ載せたら
 誰も来ないよ、きっと。
 わたしなら行かない」

 

こんな敗色濃厚な企画会議が
博物館の一室で
繰り返されたことでしょう。

 

そのとき誰かが、
みんなの思っていることを
口に出したのだと思います。

「あのさ、墓は奥のほうに引っ込めてさ。
 三国志展にしてさ。ほら、三国志って
 ゲームになってるから、あの人気に
 あやかろうよ」

この発言に対し、
「国立博物館たるものが(怒)」という
反応もあったでしょう。しかし…

「もし、客が来なかったら
 誰が責任を取るんですか?」

の一言でGOサインが出たのだと
思います。

 

「どうせ、やるならさぁ~
 派手にやろうよ」

半ば、ヤケクソな企画チームは
三国志ファンを思いっ切り煽る方向で
企画展の詳細を詰めたのでしょう。
こんな具合に。

 

「タイトルは、ストレートに三国志。
 でもそれじゃ弱いから前に
 特別展って付けちゃおう。
 プレミア感、出るし!」

「オッケー」

 

「ポスターに載せる展示品だけど
 何でもいいからさ、
 見映えのいいデッカイ武将像に
 しちゃおうっよ。
 ゲーム・キャラに近いやつ」

「オッケー」

 

「会場の展示品だけど、
 絶対的に数が足りないんだから
 三国志っぽいものを集めよう。
 NHKに電話して、
 昔の人形劇の人形を借りよう」

「オッケー」

 

「あとさ、マンガの三国志の
 直筆原稿とか借りてさ、
 漫画展にしちゃうんだ。
 横山光輝先生だっけ?
 それも借りちゃおう」

「オッケー」

 

「それと、ゲーム会社に電話して
 ゲームの宣伝になるから、
 おたくのプロモーション用の
 グッズ、貸してくんない?
 って頼んじゃおう」

「オッケー」

「オッケー」

「オッケー」

「オッケー」

 

こうやって、

三國志ファンを煽りに煽っちゃいました。

コンセプトはリアル三国志です。
国立(こくりつ)が保証しますよ。
三国志ワールドへようこそ!って。

けれど出来るのは、ここまででした。

 

この企画展、三国志展として考えても
展示内容のバランスが悪すぎます。

欠けているピースが
多すぎるんです。

 

劉備玄徳や趙雲子龍はどこ?
展示品が見つからなかったんでしょう。
あったのはマンガの原稿だけ。

張飛益徳の展示も皆無に近い。
ゲーム会社提供、ゲームに出てくる
これ、彼の持っていた蛇矛。
レプリカで~す!を見せられても。

関羽雲長は流石に外せない(:というより
関帝廟があるので展示品が集めやすい)ので
あったけど、あの立像がメインじゃなぁ。

諸葛孔明、以下同文(こちらは立像なし)。

サザエさん展に例えると、
サザエ、波平、ワカメ、タラちゃんは?状態。
カツオと舟はちょっとだけ。
ずっといた人マスオだけ、な印象。
  

 

つまり
三国志で盛り上がりたい人を
三国志で呼び寄せて
三国志で酔えないように なっています。

 

最後に、
音声ガイド「真・三國無双」ver.について。

聴きました。

展示品の真面目な説明の前後で
声優さんが「◎◎だぁ」と力むんですけど、
これがまぬけ。

ゲームのイメージさえ破壊しそうな

ヤケクソ企画なんだし、
ゲームの名前で音声ガイドを
有料で貸しているんだから、
ここで中途半端はダメ。

武器をブンブン振り回す効果音や
武将たちの雄たけび「うぉおおおお」で
展示も説明しないと。

「こ、この絵はなんだ。うおぉぉぉぉ!」

 

というわけで、企画について
考えてみました。

ここに書いたこと、いろいろ応用が
利くと思います。

おいしくないラーメンなのに
客を呼ぶために、器を変えたり、
超厚切り焼豚や超大盛モヤシで脚色。

こんなときに使えるのでは
ないでしょうか。

 

最後に、この批評分析に怒っている人の声を
土産に買った絵葉書で代弁。

「だまれ」東京国立博物館(上野)で開催中の三国志特別展で買った絵葉書。横山光輝さんの漫画だと思います。

 

でもね、これは失敗。
その典型例です。

 

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